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特集2 ブロックチェーン技術と仮想通貨


Interview

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仮想通貨にまつわる不都合な真実との向き合い方

ビットコインの本質に近づくための7つの箴言
仮想通貨のトップを走るビットコイン。しかし、通貨として見たときには、まだいくつもの問題点を抱えている。日本銀行出身で金融や通貨理論の第一人者でもある早稲田大学の岩村教授にインタビューし、ビットコインを「正しく」理解するためのヒントをいただいた。これは、新しい通貨システムを洞察する道しるべである。

岩村 充

早稲田大学経営管理研究科
(早稲田大学ビジネススクール)教授

Profile
1950年東京生まれ。東京大学経済学部卒業。日本銀行を経て1998年より早稲田大学大学院教授。著書多数。近著『中央銀行が終わる日』(新潮社、2016年)は、ビットコインなど仮想通貨の登場を踏まえて通貨システムの未来を論じた本格書として話題に。早稲田大学博士。

Proof of Work(作業の証明)は、Proof of Waste(浪費の証明)でもある

「金や銀に価値がある」といわれて、そのことに違和感を覚える人はいないでしょう。しかし、「ビットコインに価値がある」といわれても、金や銀と同じような価値がビットコインにあると思う人は少ないかもしれません。

金や銀は、お金をかけて採掘する(=作業が発生する)から価値があるわけですが、ビットコインも同じことで、その価値源泉は「ProofofWork(作業の証明)」、つまり膨大な数の専用チップを投入し計算し続けるために必要な費用に他なりません。

金や銀という実物貨幣が、銀行券という信用貨幣に取って代わられたのは、貨幣なんかに限りある資源を使うのがもったいないからです。 この点、同じ感性から、「POWとは“ProofofWaste (浪費の証明)”ではないか」とも揶揄されるわけですが、でも、そうした課題を私たちに突きつけてくれるのがビットコインの面白味でもあります。